『朱に交われば赤くなる』がプラスに働く世界

朱に交われば赤くなる
真っ赤な薔薇の花を手のひらに載せると手まで赤く染まります

 最近、『朱に交われば赤くなる』としみじみ感じられた方はおられませんか。果たして、それは良くなったのでしょうか、それとも悪くなったのでしょうか。ちなみに、その影響がプラスに働く先には『歓び』が待っているようです。

 最近、ふと感じたのですが、今のMLBエンゼルスを見ていると、なぜか、『カメレオン効果』とか『相乗効果』とはちょっと違った『朱に交われば赤くなる』の効果が出ているように思えるのです。ただ、私自身は悪い現象の時に使うことが多かった諺です。しかし、今回『大谷翔平』さんのあんな活躍を見ていたら、もうベンチの中が、チームがこんな現象を起こしているとしか思えません。

 奇しくも、最近、あの『 WBC 』にあやかるように話題になっているWell-being Company の野球版の様にも思えるのです。そこには『新しい生き方』に繋がるヒントが見えています

 

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目次

  1. 『朱に交われば赤くなる』とは
  2. この言葉がマイナスに働く時の対処法
  3. プラスに働く世界はどんな世界か
  4. 終いに

 

1.『朱に交われば赤くなる』とは

 人は交わる仲間や友人によって『感化』されて行きます。それは良くもなれば悪くもなるということと捉えていますが、私の経験上も確かなことだと感じています。その意味は、『朱』が微量でも、付着したものを忽ち赤く染めることから、付き合う友人によって大きな影響を受けることのたとえとなっている様ですが、まさしくそうなのです。特にそれがプラスに働く時はリーダーの力量とか、『相乗効果』では説明できない現象が起こっているのです。

 

2. この言葉がマイナスに働く時の対処法

 組織の中に一人の問題児が入って来ると忽ち調和が乱れて支障をきたすことがあります。それこそ、学生時代はその人に対して何の責任も義務もないので付き合わなければ良いだけのことでしたが、会社組織ではそうはいきません。まさか、そんな問題児が入社して来ることはないと思っていても実際には居るのです。

 そのような人はメンバーの中からクレームが出て来る前に、言動を見ていればわかります。ただ、仲間からの言葉では変化することは少ないと思います。やはり、そこはリーダーが対応しなければなりません。しかし、中には見て見ぬふりをして注意することもなく、すぐに異動させるリーダーもおられるでしょう。ただ、自分の組織のことだけを考えればそれは正解です。でも、異動先のメンバーはたまったものではありませんよね。

 しかし、その『朱』によって悪い方向には簡単に変わってしまうので、これは無理だと思ったら、すぐに組織の外に出すことも大事な選択の一つです。

 ただ、経験上、その問題児は過去に怒られたことはあっても、叱られたことが少ない人物なのです。ちなみに『怒るは感情、叱るは愛情』と言います。まずは、なぜ現在の様な状況になっているのかを少しでも理解するために面談で親身に話を聞いてあげるのです。さらに、何回も注意すると同時に聞くのです。

 今はパワハラとかでよく怒る人が問題になりますが、果たして、その人は怒った後はどんな感じになるのでしょうか?それでも、スッキリするのでしょうか?

 現代では、注意そのものもする人が少なくなったと聞きます。さらに、20代で入社後、一度も怒られたことがないという人が多いのにも驚きます。どうして怒らないのか。もしかして後味が悪くなるからでしょうか?いいえ、それだけではありません。確かに、人を注意するってエネルギーが必要なのです。しかも、相当量のエネルギーを要します。ですから、終わった後は非常に疲れを覚えるのです。

 でも怒りは仕方ないのです。相手に対して、自分自身を制御できなかったのでしょうから。逆に叱るという行為は自分を律しています。しかし、終わった後は同じ様にスッキリすることはありません。でも可能性を信じて注意し続け、時々面談する行為は決して無駄にはならないのです。

 そこで、何だかんだあっても結局は我が社に入ってきた人なのだから、そんなに悪くはないだろうと思って踏ん張るのです。そうすると相手に気持ちが通じたと思える瞬間が訪れます。突然、その問題児が自分の前で泣き始めるのです。そして「今までこんな風に話を聞いてくれた人はいませんでした。ありがとうございます」と言うのです。そうなのです、気持ちが通じさえすれば良い方向に向かえるのです。ただ、それまでが大変なのですが。

 そしてその問題の人は後から気づきます。それは、注意してくれる人や叱ってくれる人がいるってことは感謝すべき事なのだと

 これは問題の人に限ったことではなく、悩みを抱えている人も同じですね。つまり、その人の話を親身に聞いてあげることで活路が開けることがあります。やはり、ここでも涙を流します。

 それでもある時にこれ以上はいくら言っても通じ合うことはないと思える瞬間も訪れます。その時にはきちんとその問題の人にこちらから説明します。「もう君はこの部署には居られない、そして会社にも必要とされない」と。ちなみに、分かち合えない人は30歳になる前に退社する人が多い様に思います。逆に40歳を過ぎても変化する方がいます。何といっても人材は貴重です。そして、人は誰しも愛情を感じることができれば頑張れます。

 

3. プラスに働く世界はどんな世界か

 一方、新しく入ってきたその『朱』なる人物がプラスに働く人材だったらどうでしょう。最初は、果たして、ずっとこんな感じの人なのかなと考えたりもするでしょう。しかし、やがてこれは本物だと気づきます。そしてその人を讃える言葉が周りから聞こえてきます。そうするとその人を頼りにする様な動きになるのですが、逆に今度は自分たちに足りないものに気づいてきます。そこには自発性であったり、目に見えないところでの努力であったり、はたまた嫉妬心であったりとかが芽生えて来るのです。

 しかし、その人の与えられた業務に対する姿勢、執着力や集中力、目的・問題意識、向上心、発信力そして結果。どれを取ってもただ頷くばかりになります。そうなってくると、その人に質問したり、教えを乞うたり、はたまた真似て見たりとメンバー全員がある時差を持ちながらも追随していくのです。そしてチームとしての結果が出始めます。それでまたどんどん染まっていきます。その人はというとまた1段階上に行ってしまうように感じます。

 これって、今のエンゼルスに似ていませんか? 結果としてはまだまだかも知れませんが、きっと成果を出してくれると思わせてくれますよね。ちなみに、皆様もこんなチームにしてみたくありませんか。でも社内にはそんな『大谷翔平』は居ません。でもよく見渡せば誰かいるのです。そこで、その誰かと共にお互いにやるべき事を自覚して、自発的に『 For the team 』だけを意識して動き始めるのです。その人が中心ではありません。ただ、特別なだけです。すると、きっと願った結果を残せるはずです。

 確かに、みんなの色がプラスの方向に染まっていくって、見ていてとても気持ち良いものです。実際に今年の『 WBC 』もそのように感じませんでしたか? その余波として、さらに周りの多くの人たちが応援してくれる様になるのです。つまり、会社でいえば支援してくれるのです。そしてさらに大きな成果を残せる様になるのだと思います。

 ちなみに、『新しい生き方』はプラスに振れる方向を目指していく事だとも言えます。さらに、それが挑戦という行動にも繋がります

 

4. 終いに

 確かに、自分がその『朱』になる人は少ないでしょう。でもその人を見て『やるかやらないか』の前に、先ず『やろうとするか』はとっても大事な事です。そこで、そう思うことが出来たら間違いなく、あなたはメンバーになっていつの日か同じ歓びを手中に収められる人になるでしょう。ただし、プラス方向に舵を切るには人知れずの努力も必要です。でも自発的に挑戦する人生はいつの日かあなたを『朱』にしているかも知れません

 今回も終わりまで読んで下さり、ありがとうございます。

2023年7月5日     さえき ひかる

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