社会に出ると誰しも、今までとは違った年代や出身地の方と交わることで多くの刺激を受けます。そのような中で憧れる先輩が出てくるものです。その若い頃に憧れていた先輩は年月を経て現在はいかがでしょうか?リタイア後も変わりなく憧れの先輩であり続けているでしょうか?
『目指したい姿』 “ 堂々としているが決して偉そうではない ”
目次
1. 初めての出会い
社会に出て仕事に夢中だったあの頃、その先輩のことを知りました。当時は紙ベースでしたが、偶々、出張で来られた時にお会いすることが出来たのです。何故かしら、私には初めて顔を合わせる先輩はどなたも輝いていて、とても遠い存在に思えたものです。それなのに、親しい先輩に紹介して戴いてその方と会話する機会を得ました。残念ながら何も話せず、お話を聞くだけでしたが、その時に感じたのです。「やはりこの人はすごい人だ!」と。
2. 夢に描いた出会い
その時の初めての出会いの日から、私はずっとこの方の近くで働けたら良いなと思うようになっていました。それでも全国に散らばって働いているものですから、自分の技術力と何かの縁で支店間異動がない限り、そのそばに行くことは不可能です。
ある年、支店の中の仕事が減って来て、誰かが他支店に出なければならなくなりました。偶々、その時の私はその憧れの先輩のこともあって他支店を希望していたのです。しかし、私は初めて責任者として任された仕事の途中だったものですから、その仕事を最後までやり遂げたいという思いが強く、私は2回の打診を断ってしまったのです。
しかしながら、その時の上司から3回目の打診があり「私が異動しなければ、◯◯を出すことになる」と言われました。なんと、その◯◯さんは私が慕っている先輩でした。もうその支店に家も構えています。だから物凄く悩みました。でもある意味で、こんなチャンスを逃したら、もう異動出来ないかも知れないと考えるようになったのです。ついに異動を承諾しました。それは希望していた支店とは違っていたのですが、なんということでしょう!結果として、その憧れの先輩が所属している支店になったのです。
ついにそばに近づけて、その後、支店会議の席上でお会いすることが出来たのです。そこで10年ぶりくらいに言葉を交わしたその先輩は、派手さはないのですが、悠然と構えていながら素敵な笑顔を見せ、一瞬で虜になるような方になっていました。もう間違いなく憧れ続けていた先輩です。しかも社内でもすごく活躍されていることが見て取れました。
3. 後ろ姿を見続けて
それからは1回/2ヶ月は挨拶を交わせる存在になったので、ずっとその後ろ姿を見続けていました。まさに人生は予期せぬことの連続となり、ついにはその先輩と新しい支店の同一部署で上司と部下の関係になったのです。正しく『王道』を歩む人でした。『覇道』を嫌っていました。部下としての私を護り、引っ張ってくれる方でもありました。その恩に報いるためにも私は頑張ったものです。しかし、残念ながら私が先にその部署から異動することになったのです。
4. 再会して
その異動から20年間は近くで仕事をする機会には恵まれませんでしたが、ずっと交流は続き、リタイア後もそれは続いていました。そうしてお互いにリタイアしてから久しぶりに、先日、その方にお会いすることになったのです。そこには、共通の『憧れの先輩』として慕う気の合う仲間が集まりました。その先輩は体調が悪い中でも私たち後輩のために出かけて来てくれたのです。こんなに嬉しいことはありません。
中には現役の後輩もいましたが、偶然にも一時期を同一部署で過ごした仲間です。だからこそ話も弾みますが、現在のその先輩の話を伺うと『人生を超越している』とさえ思えたのです。『すざましい生き様』を感じました。
その時、私のテーマでもある『新たな Stage 』や『ゴール』はこのように前を向いているだろうかと考えさせられました。でも憧れの先輩にまた教えられたという歓びはとても格別なものです。まだまだ後をついて行くと心に決めました。
5. 終いに
個人的には中学時代からずっと憧れの先輩はいるのです。今でも忘れることはありません。もう会えなくなった方もおられます。そんな憧れの先輩方が今の自分を作ってくれたようにも思います。学生時代の仲間と同じくらいに多くの影響を与えてくれました。
いつの日か追いつきたい、あのような人物になりたいと思っていましたが、追いつけることはありません。それがまた私の誇りでもあります。
どうか『憧れの先輩』をお持ちの方には、いつまでもその方を大切にして欲しいと思いますし、ひょっとしたらあなた自身も『憧れの先輩』と思われているかも知れません。『人生のゴールに向かって』そんな後輩のためにも『憧れの先輩』であり続けていたいものです。
今回もここまでお読み下さりありがとうございます。
2024年4月5日 さえき ひかる
※ 残念ながら、その憧れの先輩が先日亡くなられました。こんな悲しいことはありません。
ここにご冥福をお祈り致します。(5/24追記)
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