夫婦の関係性に向き合い、乗り越えて行くリタイア後の “ 道 ”

夫婦の向き合い方
向き合う定年退職後の夫婦

 リタイアされてから夫婦の関係がギクシャクしていると感じられている皆様。日常の葛藤を乗り越えて行く姿をリアルに描き、夫婦の向き合い方の難しさと心持ちについてお伝えします。

 現役最後の日の朝食を食べた後、貴方は奥様に何と言いましたか?こうして出掛けるのも最後だという想いで何か言いましたか?それともいつもと変わらないスタートでしたか?もしそうだとしたら、その夜帰って来た時に奥様に何か感謝の言葉をかけましたか?

 ひょっとしたらその日の朝の料理はいつもの朝とは違っていたのかも知れません。

 翌日からの生活はそれによって大きく変わる可能性もありますが、実際には積もり積もった想いがあるのです。だけど一生懸命働いてくれているうちは妻も我慢出来ました。だけど「今日からは違うのよ」とも言えずに毎日が過ぎて行きます。気づいているのに知らぬふりの貴方。とおにあきらめていたけれど、まだほんの少しの期待を持ってくれている妻。さあ、どうしたら良いのでしょうか。

 『リタイア後の夫婦の向き合い方』について葛藤の日常が待っています。

 初めての方へ

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 リタイア後の厳しい夫婦関係を乗り越える “ 道 ”

 ちょっとしたストレスの解消法 “ 歩み寄ることの幸せ ”

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目次

  1. 無職になってそれでも3日は大丈夫かも
  2. ふたりはどういう想いで結婚したのでしょうか
  3. 気まずい日常が過ぎて行く
  4. ふたりの問題だということに気づく
  5. 追記 

 

1.無職になってそれでも3日は大丈夫かも

 3日間くらいは大きな変化もなく過ぎて行きます。だって “ 自分にはやることがある ” のですから。日程計画を立ててからその通りに行動するのはまだまだ現役の延長線上で問題ありません。先ず初日は区役所で『国民健康保険』の手続きです。2日目はハローワークで『高年齢求職者給付金』の申請です。そして3日目は年金事務所に行って『年金支給』の手続きです。これで3日間です。その後も何回かはそれぞれの申請に出掛けますが、それは相手からの連絡待ちであったりもします。

 そうです、サラリーマンをリタイアしたらそれだけでもうやるべきことはないのです。さあ、4日目から何をしましょうか?先ず計画ありきの自分は何をしようと考えていたのでしょう?妻はどうでしょうか。妻にはもう私がいない前提で1週間の予定が入っています。そりゃあそうです。家事さえ終われば、ひとりの自由な時間を目一杯楽しむ生活ができあがっているのです。妻が毎日、「じゃあ行ってきます」と声を掛けて出掛けます。夕方まで自分ひとりの時間です。何でもやれます。

 先ず、私の計画は自分の持ち物と物置き部屋の断捨離をしてから、長い間手付かずだった昔の写真整理をすることでした。時間はたっぷりあるのですからゆっくりやれば良いと思っていても1ヶ月もかかることはないのです。妻が帰宅してから何気ない会話が始まります。「今日は何をしてたの?どこまで進んだの?」が毎日のように続くのです。その他には図書館やウオーキングに出掛けるし、買い物にも行きます。平日の信じられないような自由な時間を満喫しているはずなのですが、そんな毎日が晴れ晴れとしなくなるのです。

 

2. ふたりはどういう想いで結婚したのでしょうか

 次第にこのままではいけないと思い始めます。頼まれた事は何でもするようになり、洗濯物の取り込み等、気づいた事もやるようになります。食事の時もただ待っている事はなくなりました。でも妻の言いたいことがわかって来るのです。「この先どうするの?」です。退職前から話し合っては来ていましたが、暫くはゆっくりしていても良いかなというところで止まっていたのです。

 私にすれば、現役時代のリセット期間。妻にしても私がいつ帰って来るのかと気にすることもなくなり、さぞかし穏やかな日々が続いて行くようにも思っていたのですが、穏やかだけでは心は満たされないのですね。次第にちょっとした事で言い合いになることが増えて来るのです。

 そこでふと考えます。何故ふたりきりの生活が楽しくないのか、歳を取ると夫婦ってこんなものなのか、否、それはおかしい。ふたりで人生を送ると決めて結婚して、今までは転勤や子育て、学校やマイホームの問題とか大変だったけど、やっとゆっくりとした生活を送れると楽しみにしていたのですから。それなのに笑い声が減って行くなんて・・。

 私には妻が知らない間に変わったように思えました。それくらい私は仕事人間だったのだと思います。お互いに相手のせいにするなんて最悪です。会社生活でも同僚に対してそんな事はなかったのに、好きで結婚したふたりが日常の事で言い合うなんて。しかし、冷静に考えればわかるのです。それぞれの生活パターンを持ちながら違う環境下で長い間過ごして来たのですから、お互いに噛み合わないところが出て来るのは当たり前の事なのです。そこに相手を思いやる気持ちを忘れていたのです。私がです!妻も楽になっただろうし、これからは今までの分を取り戻すべく、少しでも助けになろうと決めていたのに、逆に妻に対して期待をしている自分に気づくのです。情けなくなります。

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3. 気まずい日常が過ぎて行く

 ありがたい事に私は健康だけが取り得みたいで体力にはそれなりに自信を持っていたものですから、家の中で燻っている事が堪らなくなって来たのです。運悪くコロナ禍でもあったので発散も出来ません。これではいけないとこれまた1年くらい前に登録していた『Twitter』の発信を始めました。フォロワーは少ないのですが、私にとっては非常に新鮮な世界でした。今までの業界の外の世界に触れる感じで大きな刺激を受けたことは確かです。

 しかし、それくらいでは晴れやかな日常にはならないのです。妻のせいではありません。自分が自分自身の存在意義だったりを考えたりして落ち込むのです。そんな状態が続いてやっとそこで、よし『人生100年時代』だ。もう少し働こうと思うようになりました。どうせ働くならば、全く違った職種を選ぼうと辿り着いたのが『学童保育』だったのです。週に3日の勤務ですが妻も喜んでくれました。

 後から考えると、この『学童保育』の期間が私にとっては現役からの長い “ リハビリ期間 ” だったように思います。

 

4. ふたりの問題だということに気づく

 何と言ったら良いのでしょうか、一括りにしてはいけませんが、たとえ少ない金額でも収入があれば胸を張って働いているという感じになれる事も大きな要素かなと思います。まだ元気なのに働いていない状況は精神的にも追い込まれるのは確かです。生活出来るとか出来ないとかの問題ではないのです。そこも仕事人間なのでしょうね、簡単には変わりません。“ 現状を維持するという考えでは向上することはない ” ということはよく言われます。幾つになっても更なるステップアップを目指していれば、それが生き甲斐になったりするのではないかと思うようになりました。

 ただし、ひとりだけでは駄目なのです。せっかく結婚したのですからふたりで目指すのです。そのためには自分がきちんとしている事が大前提で、変わりつつもステップアップして行く姿を見せることが大事なのだということに気づいたのです。

 自立と言えばかっこ良いのですが、要はお互いに心配させない生活を送ることだと気づきます。そうすると変なもので “ 楽しむ ” 事の大切さに急激に目覚めます。少し嫌なことを頼まれても『嫌々するのではなく、楽しもう』と思って行動すると、前向きになり苦にならないことを知りました。するとそれは妻への優しさに繋がるのです。不思議な事に、楽しもうと意識し始めると人に優しくなれるのです。初めての感覚です。妻との言い合いもなくなってきます。第一、妻が何も言わなくなりました。私がチャレンジしていると思って安心しているみたいです。いえいえ、お手並み拝見と思っているのかも知れませんが、それでも良いのです。私が頑張れるのですから。このようにして『リタイア後の夫婦の向き合い方』が次第に分かってきます。

 これが、今の段階で辿り着いている “ どちらか一方だけの努力ではステップアップの方向に向かわない ” というリアル体験です。これって、どんな社会でも普通のことなのですが、夫婦の関係では気づかないというか、長い間に少しずつズレて来た価値観だったり、諦めがあったりしてそうなるのでしょうね。リタイア後のふたりきりの生活に戻ったら、今までを少しリセットして、新しい気持ちで生き始めることを意識して行く事が必要だと思います。夫婦として再度、真摯に向き合うということかも知れません。

 まだまだこれからの人生は長いです。楽しい事がいっぱいある筈です。最初はもがいて険悪な雰囲気になったとしても、それは自分やお互いを見つめ直している期間だと思って、相手のせいにしたり落ち込んだリせずに前を向いて乗り越えて行きたいものです。

 

5. 追記

 またいつの日か記事にしたいと考えていますが、リタイア後は自分でも信じられない事に気づくのです。長い間、技術者としてやって来たのに「自分の得意な事は何?」にすぐに答えられない自分がいるのです。この答えを早く出せないと『人生100年時代』を謳歌出来ないと思っています。『夫婦の向き合い方』を見つめつつ、元気に前を向いて生きて行かなければなりません。

 いつまでも挑戦する姿を見せ続けることが大事だと思います。

 ここまで『ひかるブログ』を見に来て下さりありがとうございます。

2023年5月15日     さえき ひかる

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