これから退職される方やリタイアして今まさに家庭で戸惑いのある方はおられませんか。確かに退職後は厳しい現実と向き合いながら、葛藤の中でその心持ちを変えて乗り越えて行かなければならないのです。
一般的に言えば、現役時代はやり切ったという満足感があるでしょう。だからこそ、これからは夫婦で楽しく過ごして行けるという希望を持って、リタイア後の人生に踏み出した方も多いのではないでしょうか。しかし、そこには厳しい現実が待ち構えているのです。
退職の日は突然やって来るのではありません。当然、準備して来たはずでした。リタイアするとはいえ、希望もあったし、やろうとしていたこともありました。それなのに、現実は経験したことのない葛藤の日々の始まりとなるのです。そして、踠きながらも過ぎていく日々。このまま『人生100年時代』は過ごせないし、過ごしてはいけないことに気づきます。
するとある時、何かのきっかけでぼんやりと自分の進む未来が見えて来るのです。しかし、そんな『リタイア後の厳しい現実』に直面して、皆様は大丈夫でしょうか？
ちなみに、楽しい未来を掴むためには『夫婦でもお互いに自立していないとダメなのです』
目次
1.昨日までは良かった
そう、昨日までは良かったのです。しかも何もかも許されていたのです。しかし、それに気づくのに半日とはかかりません。もしもそれに気付くのに数日かかったらもうアウトです。だって、今後どのように生活するのか、ちゃんと準備してきたはずなのですから。
実際には、今日からは自分も妻と一緒で無職でフリーです。そして、サラリーマンリタイア後のリアルな生活が始まるのです。もう稼いでは来ないのです。つまり、その無職の人が朝から妻が洗濯したり掃除をしたりしている姿を横目で見ていてはいけないのです。とはいえ、朝食を作ってくれるのは甘んじて受けましょう、妻に感謝しながら。その時一言、「ありがとう」と言えるか言えないかでその後が大きく変わって来ます。そう、「ありがとう」と言えれば、続いて「そうかあ、今日からは（妻の呼び名）に何でもやってもらってはいけないね」という会話につながるかも知れません。そうすると妻から優しくも厳しい言葉が返ってくるのです。「そうね」と。そうしたら先ず、食べた後の洗い物だけはやりましょう。
2. 自分の知らない妻がそこにいる
2.1. 何もわかっていなかった
確かに、現役時代はまだお客様だったのです。だから、妻の動きをずっとなんて見ていません。しかも、本を読んでたり、テレビを見ていたりして過ごしていたのですから。妻の家事仕事はわかっているつもりで実は何にも知らなかったことに気づかされるのです。さらに、主婦の仕事ってきりがないのです。
それに気づくと少し（まだ余裕があると思っているけれど）焦ります。そこで、徐ろに何か手伝おうとし始めます。だってこちらは無職ですから。しかし、今まで一度も無職を経験していない人にはわからないのです。いったい何をどうやって手伝えば良いのか。ただ、無職もある意味、仕事と似通っています。つまり、無職1年生初日、何にもわかってはいないのです。
よーく観察すると、主婦って調達、製造、配送そして分別、廃棄と一人で全てをこなすスーパーマンみたいなものだということに気づきます。その上、それぞれが緻密なのです。しかも自分の現役時代よりも長い間やってるプロなのです。そういう目で見ると妻を本当に尊敬してしまいます。だから、尊敬する関係って素敵なことじゃないかと一瞬思ったりもするのですが、そんなことではないのです。『リタイア後の厳しい現実』は身に染みるのです。
2.2. 妻にとっての一番は？
ちなみに、主婦にとっては「亭主元気で留守が良い」は間違いのない事実です。なぜなら、リタイアした次の日から妻は今までの自由な時間を奪われてしまうからです。そのことに私が気付くまで長い期間を要しました。
3. 現役時代の自分は何だったのか
3.1. 仕事での成果なんて通用しない
現役時代の私はどちらかというと、自分で何でもやってしまう方だったと思います。先ず、初めての仕事は自分でやってみて、出来たらそれ以降は人にやらせる感じでした。そのうちに、いかに部下に仕事を振るかに変わっていくのですが、いずれにせよ、人に細かいことの質問なんてして来なかったように思います。ただ、自分自身で調べる方でした。
ところが、そんな私が自分で思うように行動出来ないのです。さらに、いざ手伝おうとして色々と聞き始めると、その内、「何でもかんでも聞かないでね。少しは自分で探したり、調べたりしたら」と。「えっー、こんなことを言われるの？信じられない！」とリアルに直面するのです。
それでも買い物には現役時代からよく一緒に行ってました。確かに、その頃は何にも感じなかったのに、無職になったら卑屈になったのか、妻の後ろをカゴを持って歩いてる姿を惨めに感じてしまう自分がいるのです。ただ、後ろをついて行くだけ、自分で選びもしない、確認されても「良いんじゃない」と返すだけの自分。そこで、いつからこんなに受け身の人間になってしまったのかと思い知らされます。
3.2. 家庭で踠き始める
その頃から一人踠き始めます。ちなみに「自分はこんなにダメだったのか？これから妻とどのような関係で過ごせるのか。一体、俺はこの先どうやって生きるのか。もう働かないのか？ 俺の得意なものは何？この先自分は家の中でどうするの？」と。考えてみれば、結婚当初以来40年ぶりにふたりだけで過ごすのです。本当は新鮮に感じるはずなのに、私にはその気持ちがあっても妻はどうでしょう。これも『リタイア後の厳しい現実』です。
その上、「あなた、やりたいことはないの？」と毎日、追い打ちをかけられるようで、辛いというよりも情けなくなるのです。妻と一緒の買い物では、時々、時間がかかって嫌になる事があります。するとある時、妻が「あなたは買い物に付き合っていると思っているでしょ。私は買い物を楽しんでいるんだからね」と言ったのです。その時、何かが弾けたのです。「そうか、いつも受け身だから楽しくないのだ。俺は今まで受け身の人間ではなかった。前向きに行動してこそ楽しみがあるのだ」と。
そうなのです。幾つになってもチャレンジし、引っ張って行く気持ちを忘れてはいけないのです。そこで2年前に準備だけしていた『ブログ』を開始しようと、もう一度調べながら四苦八苦してブログのトップページを作り始めたのです。そうしたら、またまた閃いたのです。
やはり『夫婦でもお互いに自立していないとダメなんだ！』と。
4. 今できること、やるべきこと
4.1. 夫としての気づき
自分が自立していないなんて思ってもいなかったけれど、家庭生活、否、仕事以外ではそうだったのです。間違いなく、本当に仕事人間だったのですね。こうして家庭を蔑ろにして来たことに改めて気づかされるのです。しかし、妻のそばにいることは私にとって、妻への贖罪なのです。つまり、リタイアした後は少しでも妻を楽にさせてあげたいという想いが強かったのです。でも、寄り添うのは良いけれど、まとわり付いてはいけないのです。ただ、良かれと思って取る行動が妻には重く感じられたのではないでしょうか。それにも気づかされました。
そこで、先ず、自立の第一歩は『自分のことは自分でする』でした。自分の洗濯物は自分で洗濯して干して取り込み、そして畳んで仕舞うのです。次に、リビングから廊下、洗面までのフロアの掃除は自分がするようになりました。もちろん、風呂掃除も湯沸かしも。さらに、買い物も次第に一人で出来るようになりました。いちいち確認しなくても良くなるまでは時間がかかるのです。しかし、まだまだです。ちなみに、食後の洗い物とご飯炊きは1年前からするようになっていました。
4.2. 踠きからの脱出
今思うと、以前の私は食事の時にテーブルに座ってテレビを見ながら「いただきます」の瞬間まで何もせずに待っていたのです。まさしく、お客様だったのです。これでは良いパートナーにはなれません。今ではたまに料理も少し作るようになりましたが、普段は食事の準備が始まると妻と一緒に動いています。さらに、テーブルを片付けてランチョンマットを敷いて、皿や箸をセットして、お茶を用意して、出来上がった料理をテーブルに運びます。ちなみに、これは最低のルーティンですね。
こうして今、踠きから脱出しようとしています。果たしてこれからどうなるか、今はまだわかりません。しかし、何とかなりそうだという思いになったことは確かです。反対に妻の思いを変えようとするのは傲慢です。自分が変わって行くことで少しは妻も認めてくれるのではないでしょうか。
5. 追記
ちなみに、このブログ記事は私にとって記念すべき “ 初投稿 ” となります。しかも、ここまで読んで下さりありがとうございます。その上、まだまだ、ブログそのものについてもよく理解はしていない状況ですが、チャレンジしながら投稿していきます。
もちろん、人生はまだ続きます。そのために、健康寿命をいかに長くしていくのかも私の課題です。さらに、見に来て下さる皆様に少しでも何かのヒントに繋がるような記事を投稿して行きたいと思っています。この『ひかるブログ』にまたお越し下さい。心よりお待ちしております。
2023年5月10日 さえき ひかる
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