リタイアしてから、もうすぐ3年を迎えるある朝のこと。いつもと変わらぬ日常の始まりに、妻が突然「やっと二人きりの生活に慣れたね」と。それなのに、多分、私は一言「そう?」と返しただけ。でも、本当は色々な思いが込み上げてきて次の会話に進めなかった。
ちなみに、この時の気持ちをお分かり戴けるでしょうか。
おそらく、妻にとっては何気ない言葉だったのでしょう。しかし、私にとっては大きな意味があったのです。ともあれ、完全リタイアしてから3年で、やっと『新たなステージ』に辿り着けたように感じたのです。でも、あの時の私はどのようなリアクションを取ったのかをまるで思い出せません。ただ、心の底で小さく「やったー!」と叫んでいたはずなのです。
思い起こせば、最初の1年はそれなりに悩みもし、葛藤の日々であったように思います。本当に辛く、自分が情けなかった! そこで、ギクシャクした関係を乗り越えるために、寄り添うことの大切さに目覚め、自分自身が自立することで、やっと乗り越えられたのかなと思えた瞬間だったのです。
とにかく、妻からの「やっと二人きりの生活に慣れたね」の言葉は、また新しい気持ちで、生きる『意欲』を私に与えてくれたのです。
さあ、これで気を緩めることなく進めば、二人きりの生活が新たな展開を見せてくれるような気がします。
もちろん、40年ぶりの二人きりの生活ですから、あの新婚時代とは異なった未来に向けての生き方になります。だからこそ、これで安心するのではなく、やはり今まで同様に新しいことにチャレンジして行く姿を見せていかなければならないのです。そうしないと、また、二人の間に笑顔が減って行くことになりかねません。
ここは、この3年の自分の変化に少しの自信を持ち、素直に喜びたいと思います。ちなみに、皆さまの中にもこのような経験をされた方はおられるのでしょうか? いずれにしても、リタイア後の生活の中でも大切な瞬間ですよね。
これからも『二人きりの生活』を思いやりを持って過ごしていきましょう。
今回もここまでお読み下さり、ありがとうございます。
2025年12月25日 さえき ひかる

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